うまのはなし

 

森か川か何かに。

向かって走ってみる。

ひょっとしたら呼ばれているさ。


おこがましいけれど

連銭葦毛とまではいえない

まるで栗色の首をひとふり

ぼくのまんなかの背骨はでこぼこ


せっかくだから

きみ、きみ

またいでおゆきよ


ぼくを境に分かれていきなよ

太陽が腰をあげても

月が小首を傾げても

いつでも。


長いのと短いのが出会ったときには

ぬーんと鳴いてみようじゃないか。


ひづめでひっかくタンポポのかげ

アスファルトは砕けてしまって

ポルシェに崖は下れないだろう


特別好きなわけではないけれど

にんじんをおくれよ

いっそ口から炎がはければ。


空でふんばるひづめはないし

雲をやぶる角もない

ましてや羽なんて


それでもゆけるから

のぼっていこうか

走る拍子を

上下上下

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