今年も梅雨がこんにちはして 湿度の上昇につられる 不快指数と奴の数
カエルの歌を百度聞いたらなんとやら 皆で歌わされたやつではなくて それは本物のカエルの歌
あの鳴き声
よくも歌だといえたよね
その歌は不気味でしかなかった 底なし沼に誘っているような 四方八方、三百と六十度 取り囲まれて鳴り響く声に いっそ何も聞こえない気がした
その歌は気怠くて憂鬱だった 紫陽花の色も奪うような 姿も見えず数もわからない 近くて遠い鳴き声に ぼんやり梅雨の終わりを祈ってた
だけどいちいち数えない 全て同じカエルの声 ほんとに同じカエルの歌? カエルの寿命など知らない
暇つぶしに数えたんだろう 百まで数えたら どうせ夏がくるんだろ
百度数えて何になる 来世がカエルになるくらい そんなときは笑ってやる
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