文芸部のうた

 

本がたくさんつまった本棚に

ときめくあなたが

叩いた扉

あけるとそこには

机があった

椅子があった

そして出会うむじな


画数を省いて

書き残すひらめき

プロットが二転三転

解読不明に陥り

行き詰まったら

掃除がはかどる

利き手の内側に

残る黒の勲章

夜中の液晶画面は

目にしみる


いくつもの〆切りに

焦りどやされ

悔やんで直して

唸って悩んで

見つけて考えて

怒ったり怒られたり

ぶつかったりだきついたり

君への批判は

人格の否定ではなくて

愛ゆえに、鞭なのです。


もどかしさのフルコースを乗り越えて

原稿用紙やデータの容量

シャーペンの芯や印刷機のインク

汗と涙と愛と夢

そしてすこしのイタズラ心

そのどれもを捧げた

君の世界、君の舞台


起承転結も予定調和も

勧善懲悪も因果応報も

心機一転で一期一会


彼も彼女もあの子も奴も

君もあなたも殿も汝も

僕も私も俺もうちも

我輩だって某だって

紙のうえであそぼう


一人は自分のために

仲間は一人のために

全ては読者のために


文字で思考しましょう

言葉で武装しましょう

文学で芸術しましょう

文芸部ですから。

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